健康と糖鎖
健康と糖鎖の概論です。妊娠と糖鎖、免疫と糖鎖、各疾患と糖鎖などについての詳細は各ページを、ご参照願います。
生死を左右する糖鎖
糖鎖はヒトの誕生から死に至るまでの一生涯の様々なところで健康(病気)と関わっています。約60兆個の細胞の細胞膜(脂質)に組み込まれたタンパク質は糖鎖と結合して糖タンパク質として存在しています。
細胞は細胞表面にある糖鎖を介して生存するための原動力としていつも細胞の外界や他の細胞とコミュニケーションなどの相互作用を行っています。例えば、細胞は食物から栄養素を取り込み、古くなった成分を吐き出し、イオンや水を通過させていますが、これらの働きには糖鎖が関与しています。
さらに、細胞表面の糖鎖にホルモンやインターフェロンなどの情報伝達物質が結合すると、細胞の核内の遺伝子に作用したり、細胞内で情報伝達されます。以上のように糖鎖は細胞の働きをコントロールしていますので、殆んどの病気に関与していることが判ります。従って、糖鎖はヒトの生死を左右するとも言えます。
糖鎖の異常が関与する主な病気
糖鎖の異常が関与する病気として下記の病気などが研究/成果発表がされております。
不妊症(精子の形成、受精、受精卵の着床)、先天性糖鎖合成異常症(CDG I型・II型)、発達障害(注意欠陥・多動性障害、広汎性発達障害、学習障害、知的障害、発達性協調運動障害)、アレルギー疾患(ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症など)、高血圧、糖尿病、脂質異常症、膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、橋本病、皮膚硬化症、ベーチェット病、甲状腺機能亢進症、自己免疫性肝炎など)、うつ病、骨粗鬆症、癌、アルツハイマー病など