血液型と糖鎖(血液型物質と糖鎖)
ABO式血液型は「糖鎖」を基準に決めております。血液型は最も知られているABO式(赤血球基準)を含めて約400種類ほど発見されていますが血液型というと赤血球の補充が輸血の主目的だったため、普通は赤血球の血液型(ABO式)を指します。
あらゆる生物に血液型は存在する
血液型物質を最初に完成させたのは約30億年前の細菌で、その一部が腸内細菌として住みつき、それがトランスフェクション(遺伝子移入)によって人間の血液型ができたと考えられます。
細菌以外にも藻類、シダ類、木、野菜や魚、動物などあらゆる生物に血液型物質はあります。なお、血液型物質は最初に血液中で発見されたので血液型物質と呼ばれています。
ABO式血液型と糖鎖
ABO式血液型は赤血球表面にびっしりついている糖の鎖(糖鎖)の違いによって、A型、B型、O型及びAB型の4タイプに分類します。
基本はO型で赤血球の表面にN-アセチルグルコサミンがガラクトースとつながり、更にそのガラクトースがフコースとつながっています。O型の人の糖鎖は全ての血液型つまり全ての人(Human)に共通しているという意味でH型と呼ばれます。なおH型はO型の人に最も多く存在しています。
A型はこのH型にN-アセチルガラトサミンが、B型はガラクトースが、そして、AB型はその両者が付加されています。なお、H型の量はO型が最も多く、次いでA型そしてB型の順に多く、AB型は最も少ないことが知られています。
ABO式血液型物質(糖鎖)の分布
糖鎖は赤血球以外にも消化管、腎臓、肝臓、心臓、肺などの臓器や体液にも存在しています。特に胃(胃粘膜)、十二指腸には赤血球よりも大量に存在しています。つまり、人の体のすみずみまで各血液型に見合う糖鎖で覆われています。
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