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身近な糖鎖技術

糖鎖は身近な所でも利用さてれおります。その代表がインフルエンザ治療薬「タミフル」と糖鎖マーカー(癌マーカー)です。

身近な糖鎖技術インフルエンザ治療薬のタミフルとリレンザ

1.A型ウィルスのスパイクとハサミ
パンデミック(大流行)の恐れのあるインフルエンザウィルスA型の表面にはスパイクとハサミの機能をもつタンパク質がついています。

スパイクは正式にはヘマグルチニン(以下H)というレクチンは、ウィルスが赤血球や宿主細胞を捕らえ感染する時に取っ手として働きます。ハサミは正式にはノイラミニターゼ(以下N)といい、細胞内で増殖したウィルスが自由に細胞内から次の細胞へと移動するのを助ける酵素です。

Hが16種類(うち人に感染するのは3種類)、Nが9種類ありその両者の組み合わせでウィルスのタイプは分類されます。例えば、スペイン風邪はH1N1(1918年)、アジア風邪はH2N2(1957年)、香港風邪はH3N2(1968年)あるいは現在、世界的な感染が最も恐れられ強毒性(感染した鳥が死ぬ)の鳥インフルエンザはH5N1と表記されます。

2.感染プロセス
ウィルスはまず、ヒトの上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)などの粘膜細胞の表面にあるN-アセチルノイラミン酸(シアル酸)に自分のHを接着させます。

接着されたヒト細胞は扉を開けてウィルスを内部に飲み込みます(エンドサイトーシス)。

細胞内部に侵入したウィルスは細胞の遺伝子複製機構を乗っ取ってHを2つに切断させて増殖します。弱毒ウィルスのHは体内の呼吸器と腸管でしか切断されないが、強毒ウィルスのHは肺や脳などあらゆる器官で切断され増殖します。

増殖したウィルスは細胞外へ出て次の細胞に感染する時、N-アセチルノイラミン酸が邪魔になり自らのNでそれを切断し細胞外に脱出して次の細胞に移ります。

3.タミフルとリレンザの作用
タミフルとリレンザの狙いは 、ハサミの役割をするノイラミニターゼに先回りしてくっつき切断(細胞外に脱出して次の細胞に移る事)を阻止する事でインフルエンザウィルスが他の細胞に感染増殖する事を防ぐ役割にあります。

癌マーカーとしての糖鎖は続きで説明します。

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