発達障害と糖鎖
発達障害とは「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であって、その症状が通常低年齢において発生するもの」と定義されています(発達障害者支援法第二条)。
発達障害は要約すると
1.広汎性発達障害 2.学習障害 3.注意欠陥多動性障害 4.その他の発達障害
のタイプに大別されています。
しかし、現実的には各タイプの症状がそれぞれ少しずつ重複することが多く、更に年齢や環境によって症状が変化するため、単純にタイプ別に分けて診断する事は大変難しいとされています。さらに近年、大人の発達障害が増え、うつ病などの合併症を併発している人が多くなっているとの指摘もあります。
広汎性発達障害とは
広汎性発達障害(PPD:Pervasive Developmental Disorders)とは、自閉症とアスペルガー症候群を中核とし、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能広汎性発達障害をも含む総称名として使用されています。
- 自閉症とは
自閉症の発症原因はまだ特定されていませんが、多くの遺伝子的要因が複雑に絡み合って起こる生まれつきの脳機能障害です。従って、親の育て方が原因ではありません。症状の軽い人を含めると100人に1人はいるといわれ、性別では男性が女性の約4倍発症し、自閉症の近親者での発生頻度は5~10倍であることが知られています。
自閉症の特徴として「1.対人関係障害 2.コミュニケーション障害 3.パターン化した興味や活動」の3つが指摘されています。
これらの特徴が軽い人を特に自閉症スペクトラムと呼び通常の自閉症と区別することがあります。自閉症の多くは知的障害を伴ない、症状の重い人では他の障害との合併が多くなります。
約30%の人は知能に遅れがない高機能自閉症(HA:High-functioning Autism)と呼ばれ会話は苦手で共感脳が低いですが、学業成績に特に問題はありません。しかし高機能でも自閉症状の強い人もいます。
- アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群(AS:Asperger syndrome)とは、厳密には自閉症とは区別されていますが、広い意味では自閉症に含まれます。また、「知能発達に明らかな遅れはないが自閉症の特徴を有している」ことに注目して、高機能自閉症と非定型自閉症を含めてアスペルガー症候群と表現されることもあります。
アスペルガー症候群は自閉症の3つの特徴のうち対人関係障害とパターン化した興味や活動は有するが、コミュニケーションには目立った障害はないとされています。
アスペルガー症候群は言語の発達の遅れがない点が自閉症と異なり、知的発達に遅れのある人も殆んどいません。広い意味でのアスペルガー症候群の発生頻度は自閉症よりも多く性別では男性に多いようです。