血液型と糖鎖(血液型物質と糖鎖)の続きです。
ABO式血液型と抗体
それぞれの血液型の人は自分が持っていない血液型糖鎖に対して自然抗体を血清中に持っています。つまり、A型の人は抗B型抗体を、B型の人は抗A型抗体を、O型の人は抗A型抗体及び抗B型抗体をもち、AB型の人はどの血液型糖鎖に対しても抗体を持っていません。なお、「免疫トレランスの法則」により免疫反応から自己を守るため自分の抗原には抗体を作りません。
そこで輸血はもちろん、臓器移植においても血液型が一致したドナー(臓器提供者)を選ばなくてはなりません。もし異なる血液型を輸血すると溶血まで引き起こし、臓器移植では拒絶反応などの副作用が起きます。
血液型と感染症
全ての生物に血液型物質があり、それが抗原として作用することで抗原抗体反応が発生することがあります。大まかな傾向としてA型の人は感染症に弱く、逆にO型の人は感染症に強い傾向があります。例えば、O型の人はO型物質を多く持ってりるペスト、コレラ、病原性大腸菌による下痢症に罹りやすく重症化しやすい。同様にA型の人は天然痘、肺結核、マラリア、ノロウイルスなど多くの感染症に、B型の人は肺結核、肺炎に、更にAB型の人は梅毒、天然痘、肺炎に感染しやすい傾向があります。
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