糖鎖とは(糖鎖とは / 複合糖質の糖鎖を構成する単糖の種類)の続きです。
複合糖質の種類
- 糖タンパク質にはN-結合型糖鎖とO-結合型糖鎖があります。N-結合型糖鎖はアスパラギン酸に結合し、O-結合型糖鎖はアミノ酸のセリンやスレオニンに結合しています。
- 糖脂質は、1本の糖質分子に、1本の糖鎖が結合しスフィンゴ糖脂質とグリセロ糖脂質に大別されます。
- プロテオグリカンは、1本のタンパク質に糖タンパク質よりもはるかに長い糖鎖(単糖が100個~10000個)が結合します。この長い糖鎖はムコ多糖と呼ばれ、ヒアルロン酸、コンドロイチン酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸などがあります。
糖鎖の働きと役割
- 配送の荷札
食べ物などの種類を速やかに認識し、必要な物質を選び行き先や体内での蓄積を指示したり、体外へ排除したりします。
- 身分証明書
血球の種類(赤血球、白血球、血小板)や血液型のタイプ(ABO式)の識別、正常細胞とガン細胞等の異常細胞の識別に利用されています。 - 糖タンパク質の品質管理
傷ついたり古くなって、糖鎖が切れたり、無くなると、分解して新陳代謝します。これによって、例えば、薬の効果を長く持続させます。
- 細胞やタンパク質の保護
分解酵素による分解や熱などによる破壊から細胞やタンパク質を保護します。これによって、例えば移植用臓器の保存液ができます。
- 投薬の輸送(ドラッグデリバリーシステム)
使用している薬を糖鎖の種類によって、必要としている器官に輸送しそこで付着させます。
疾患と糖鎖の関係
糖鎖は、特に癌の転移・腫瘍マーカー、免疫細胞の連携・働き、感染症、生活習慣病、受精、細胞の発生・分化、脳神経細胞の働きなどに重要な役割を果たしています。
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